山下レディースクリニック
アシストハッチング
2010年3月5日
他院にて通院しています。
今までに採卵を2回し、ホルモン周期による胚移植を3回、排卵周期による胚移植を2回、計5回の移植を行いました。そのうち1回は妊娠に至りましたが、9週で稽流流産になりました。4回は妊娠反応すらでませんでした。
そこで次の治療としてアシストハッチングをすすめられました。ただ凍結卵はすべて胚盤胞まで育ち、グレードもよく自らの力でハッチングしかかっているらしいのです。見た目も受精卵の殻が厚いようには見えないと医師は言っていました。
こんな状態でアシストハッチングをして意味があるのでしょうか?
またシート法も勧められました。まだ新しい方法のようでこちらも将来自分自身への体への影響や赤ちゃんへの影響について少々不安に感じます。
大変失礼かと思いましたが、お尋ねします。ホームページを拝見したところ、シート法について記載が見受けられませんでしたが、シート法もされていらっしゃるのでしょうか?色々と調べてみると妊娠率はかなり高率になるとあったのですが、実際のとこと成績はどうなんでしょうか?
こちらの質問には、胚培養室長の岩山がお答えします。
**************************
胚盤胞より前の発育段階での凍結ということでしょうか? 融解した後もすべて胚盤胞まで育ちハッチングしかかっているということは、それなりに状態の良い受精卵(胚盤胞)だと思われます。ただ、必ずしも今までの胚盤胞がハッチングをうまく完了しているのかはわかりません。もしかすると完全に透明帯から抜け出せずに退行してしまう場合もあるかもしれません。アシスティッドハッチングが本当に効果的であるかどうかはわかりませんが、試してみるのもひとつの選択肢であると思います。
シート法については、すべての方に期待されるような効果があるわけではありません。シート法に限らず、どのような症例に対しても万能な治療法はありません。ただ、漫然と治療を繰り返されるよりは新しい方法にトライしてみるのもいいのではないかと思います。シート法は当クリニックでも施行可能です。母体や赤ちゃんに対する悪影響について、今のところ、そのような可能性は指摘されていません。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
1人目も山下先生にお世話になり、2人目も是非山下レディースクリニックでと思い、遠方でしたが通院しました。1人目体外受精、今回は顕微授精で5度目の移植の末、授かることができました。途中、先の見えない治療に悩んだ時期もありましたが、先生を信じて治療を続けてよかったと思います。
©山下レディースクリニック