山下レディースクリニック
移植する個数と確率
2008年9月11日
はじめまして。36歳で、IVFで授かった3歳の子がいます。
2人目の治療を始めて1年半です。2回目のIVF-ET後、凍結胚が2個残りました。どちらも胚盤胞のレベルです。
新鮮胚で1個戻したのは残念ながらかすった程度の値しか出ずに陰性となり、生理になりました。
今回、凍結胚移植をするんですけど、戻す個数を考えてきて下さいと言われて悩んでます。
先生は、確率を上げるために複数個移植するってことは最近はどこもやっていないっておっしゃるんですが、本当に1個戻すのも2個戻すのも確率は変わらないのですか?
あくまでも双子の確率が高くなるだけで、妊娠してから双子じゃ困るって言われてももう遅いよっていうだけのことでしょうか。
一人目の時は新鮮胚でしたが2個戻して1人産みました。
すでに一人いるので双子は…っていう気持ちも正直ありますが、授かりたくて長い間治療を頑張っているので、無駄に時間をかけて自分の年齢が高くなり、ただでさえ低い妊娠率をこれ以上下げないうちに2個戻して確率で勝負したいとも思っています。
私の年齢で凍結胚を2個戻した時の多胎になる確率はどのくらいなのでしょうか?
1個ずつにしても、たぶんグレードのいい順に戻すだろうから、今回でダメだったら次回だって卵の質が劣る分ダメかもしれないって考えてるんですが、この考えは間違ってますか?
ご意見をお聴かせいただけたらうれしいです。
山下レディースクリニックの培養室スタッフがお答えさせていただきますね。
凍結融解胚盤胞移植は、胚盤胞の着床能を最大限に生かせる戦略です。卵巣刺激の影響を受けた新鮮周期の子宮内膜とくらべて、凍結融解周期に整えられた子宮内膜は非常に高い胚受容能を備えています。そのため、新鮮周期では妊娠が難しいと思われるグレードの悪い胚盤胞が、凍結融解周期に妊娠してしまうことをよく経験しています。
「あい」さまの年齢での凍結胚2個移植の場合の多胎率は持ち合わせていないのですが、やはり、多胎のリスクは避けるべきでしょう。1個戻しても、2個戻しても妊娠率にそれほど差が出るとは思いませんよ。主治医のおっしゃるとおり、1個ずつの移植をおすすめします。むしろ、可能性のある胚盤胞の移植の機会が増えるので、チャンスは広がるとお考えください。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
タイミング、人工授精を1年とすこしやりましたが、年齢のこともあり、やるなら早いほうがよいと思い体外受精に挑戦しようとこちらに転院してきました。1回の採卵、2回目の移植で授かることができ、本当によかったです。あまり思いつめず、あとは先生を信じて過ごしていました。山下先生をはじめ、みなさまお世話になり、ありがとうございました。
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