山下レディースクリニック
体外受精について
2009年2月9日
こんにちは。
お忙しいところ恐れ入ります。
ある本に【卵管に受精卵をあらかじめ置き、別の受精卵を子宮に移植すると、体外受精の着床率が上がることが最近の研究で明らかになった。卵管の受精卵が、子宮に対し何らかのシグナルを送り、着床しやすくなるよう子宮に準備を促している。】
と、書いてありました。
卵管に受精卵を置くと子宮外妊娠となってしまうのではないか??と素人の私は思ってしまうのですが、
山下先生はこのようなやり方についてどう思われますか?
ご意見を聞かせていただけると幸いです。
体外受精を行った胚を卵管内に入れるZIFTと呼ばれる方法(最近はほとんど行われていません)と、子宮内胚移植を併せた方法ですね。去年の春から、日本産婦人科学会では、多胎妊娠を避けるため、移植する胚の個数を基本的には1個にするよう指導していますので、もしも『さるぼぼ』さんが初めての体外受精を検討されているのであれば、この手段を選択することはおそらくできないと思われます。また、このような方法が本当に妊娠率を引き上げるというコンセンサスは得られていません。
なお、本来、卵子と精子は卵管膨大部(卵管で最も太い、卵管の先端に近い部分)で出会い、受精します。受精卵は、卵管内の繊毛に運ばれながら分割して、子宮内に到達し、子 宮内膜に着床すると妊娠が成立します。ですから、卵管内に胚移植を行っても、繊毛の機能が正常であれば、ZIFT法が子宮外妊娠の可能性を引き上げることはないでしょう。ただ、子宮内に戻した場合と比べ、大幅に妊娠率が上がる訳ではなく、むしろ平成19年度の報告によれば、ZIFTの全国平均妊娠率 は7.7%のところ、通常の新鮮胚の子宮内胚移植は28.9%ですから、わざわざ腹腔鏡下で大がかりな処置をとる価値があるかどうかは疑問です。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
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結婚が37歳。3年経っても子宝には恵まれず、年齢のせいかと思いとは裏腹にどこかであきらめようと思っていました。40歳を目前にして、友人からこちらをご紹介いただき、おもいきってお世話になりました。40歳をむかえ、やはりダメだったのかな…。と思っていると、授かったとわかり、夢のようでした。何度も心が折れそうになりましたが、先生、院の方々皆さまの笑顔とやさしい雰囲気に励まされ、無事卒業を迎えられ、とてもうれしく、感謝の気持ちでいっぱいです。あきらめない気持ちを持って、これからもよりたくさんの方がこの感動を実感していただきたいです。本当にありがとうございました。
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