山下レディースクリニック
体外受精について
2009年8月11日
初めまして。体外受精のことで毎日悩んでいます。
私は32歳で、原因不明で2年間一般不妊治療を受け(タイミング及び人工授精。うち一度妊娠&流産)、そろそろ体外受精を考えるよう言われました。
今の病院は一般治療までで、体外をするには転院しなければなりませんが、私は正直、体外に抵抗があります。
先生に教えてほしいことが4つあります。
@今の医師には自然妊娠とそんなに変わらないと言われますが、本来は受精&着床しなかったであろう未熟な受精卵まで着床→妊娠させることになるのではないかという疑問がどうしてもぬぐえないのです…。山下先生は、この疑問に対してどうお考えなのか、ぜひ教えて下さい。
万が一障害を持った子が生まれた時、自然妊娠であれば他の子と同じように愛せる自信はありますが、体外の場合に、体外をしたことを後悔しない自信がないのです。こんな考え方をする私は、子供を持つ資格などないのかもしれません…。もう子供はあきらめた方がいいのかと考える日もあれば、それで後悔しないのかと考えたり、毎日毎日、自分でも嫌になるくらい暗くなってしまいます。
A最近、体外受精をする人が増えているとのことですが、あまり抵抗なく、みなさん進まれるのでしょうか?
Bまた、体外には抵抗があるからと、一般治療を続けても意味はないのでしょうか?
C体外は抵抗あるからと子供をあきらめる人というのは実際少ないのでしょうか?
体外に抵抗感があるというだけで子供をあきらめていいのか、抵抗感がある私がおかしいのか、考えれば考えるほど頭痛がするのです…。主人も同じく体外に抵抗感はあるようですが、子供は絶対に欲しいので、体外に進むしかないのならしょうがないと考えているようです。でも、お互い抵抗感がなくならなければ、進むことなんてできません…。
どうかよろしくお願いいたします。
体外受精に抵抗をお持ちになる感覚は、よく理解で きます。では、番号にそってお答えしていきますね。
@担当医のおっしゃるように、自然妊娠と体外受精で大きく違うのは、卵子と精子の出会う場所が、自然妊娠の場合は卵管内ですが、体外受精の場合は体外であるという点くらいです。
通常の体外受精では、本来、受精できないような未 熟な卵を無理やり受精させているわけではありません。顕微授精を選択し、精子を卵子に直接注入してもなお、そのどちらかに問題があれば受精は成立しないのです。胚のグレードが悪ければ、分割は途中で止まることが多く、ましてや着床のアシストなどは現段階では不可能です。胚に偶発的な染色体異常があれば、そのほとんどは初期流産に終わってしまうでしょう。
なお、赤ちゃんがトラブルを抱えて産まれてくる割合も自然妊娠と同程度です。
A機能性不妊で2年間治療されているとのことですので、おそらく検査では見つかっていない、一般不妊治療では乗り越えにくい不妊原因があるものと考えます。ただ、流産経験があるとのことですので、妊娠するための基本的な力はあるお二人なのでしょう。
B体外受精に進まれることには、多くのご夫婦が躊躇を持たれますよ。医師やナース、そして不妊カウンセラ―の説明を受けて、納得されたうえで、最終的には選択されているケースのほうが多いです。それでも選ぶのは、お二人です。よく体外受精や顕微授精を勉強されて、選択するかどうかをご検討ください。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
毎回、片道3時間をかけ、主人と2人頑張ってきました。私達が、こちらの病院で頑張っていこうというきっかけを作って頂いた、初診時のカウンセラーのお言葉「未来の2人の赤ちゃんがこの病院に2人を迎わせてくれたんじゃないですか」が、ずっと励みになり今日卒業を迎えることができました。先生をはじめ、皆様に感謝しております。有り難うございました。
©山下レディースクリニック