山下レディースクリニック
FSH高値の体外受精
2009年8月25日
何度かこちらで質問させていただいた者です。 いつも親身にお答えいただき、本当にありがとうございます。
感謝しています。
現在31歳です。
D3にあたる昨日ホルモン検査をしたところ、なんとFSH値が36でした。
今年4月にチョコレート嚢胞をとるために腹腔鏡手術をしたので、その影響で卵巣にとても負担がかかっているそうです。
主治医には『閉経時の数値で、この2年で妊娠しなければ子供は諦めたほうがいい』と言われてしまいました。
手術前は正常値でしたし、やっとお腹もきれいになって頑張っていたところなので、本当にショックでした。
再来月から初めて体外受精にチャレンジしようと思っていますが、こんなホルモン値でも体外をやる意味はあると思いますか?
主治医は『数はとれないが、年齢的に卵の質は悪くないんじゃないか』とおっしゃっていました。
実年齢が若くてもFSH値が高ければ質のいい卵はとれないんではないかと思ってしまうのですが、山下先生はどう思われますか?
また体外を始める前に少しでもFSH値を下げる努力をしたいのですが、何か方法はありますか?
治療でも自分でできることでも何でも構いませんので、あれば教えてください。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
私どものクリニックでも、FSH高値の方で妊娠をされた方がおられます。『さわこ』さんの場合は、チョコレート嚢腫の手術で、広範囲の卵巣組織を取ったことにより、卵巣の反応性が落ち、FSHが高値になっているものと思われます。担当医のおっしゃるように、卵子の質自体は年齢的には悪くない可能性もありますので、体外受精を試される価値は十分あるでしょう。とはいえ、卵巣は常に高濃度のFSHにさらされている状態ですので、排卵誘発剤への感受性は落ちている可能性があります。自然周期で排卵があるようであれば、クロミフェン製剤などを使っ た軽めの卵巣刺激で採卵にのぞまれたほうがいいかもしれませんね。
FSHを下げる方法としては、ホルモン剤で排卵を抑制し、一時的にFSHの分泌を止めることで、卵巣を休ませて、感受性の復活を期待する『カウフマン療法』と呼ばれる治療法があります。劇的な効果は望めませんが、体外受精のサイクルに入られる前に、試しておかれてもいいかも知れませんね。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
何度も流産をくり返して、その度に落ちこんで…をくり返していました。でもやっぱり子供を産みたい気持ちが強く、山下先生も優しく励まして下さり、無理な治療は進めずゆったり構えていて下さったので安心しておまかせできました。今度こそ元気な子を産みます。先生、本当にありがとうございます。
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