山下レディースクリニック
凍結胚の融解後培養について
2008年9月2日
7月に外妊について質問させて頂きました、はなと申します。
やはり先生の見解どうり、高温期が延長しただけで
外妊ではありませんでした…。お騒がせし、失礼致しました。
今回、新たに質問があります。
これまで2回移植を経験し(4〜5分割新鮮胚→外妊、4〜5分割凍結胚→妊娠至らず)結果は得られず。
あと1グループ残っている凍結胚(4〜5分割胚が2つ)を
活かすために、新たに何かアプローチできないかと思っています。
タイトル通り、今の主治医にも融解後に長期培養可能か
質問しました。主治医は「できないことはないが…。」と
言われただけで、はっきりとした方針は決められませんでした。
凍結胚の融解後長期培養は有効なのか?
それとも融解後はそのまま移植したほうが、受精卵にとって
良いのか?
長期培養以外に何かできることはあるのか?
先生の見解をお聞きしたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
山下レディースクリニックの培養室スタッフが、ご質問にお答えさせていただきますね。
Q. 凍結胚の融解後長期培養は有効なのか?
A. 融解後に長期培養を試してみる意義は、実際に胚盤胞まで発育した胚を選ぶことができる、すなわちより厳選した1個を移植できることにあります。ですから、多胎妊娠を避けることが目的であれば、有効な手段になりえます。ただし、妊娠に限っていえば、融解してすぐに移植しても、長期培養後に移植しても、同じ胚についての妊娠率は変わらないように思います。
Q. 融解後はそのまま移植したほうが、受精卵にとって良いのか?
A. 融解後の受精卵の状態によります。凍結融解では少なからず受精卵にダメージがありますので、培養した場合、そのダメージが大きければ、発育を停止してしまいますし、ダメージが小さければ胚盤胞まで発育する可能性があります。そのまま戻すか胚盤胞までの培養を試みるかどうかは、融解直後の培養士の方の判断が、重要になるかと思います。
Q. 長期培養以外に、何かできることはあるのか?
A. 状況によっては、「はな」さんのいわれる「新たなアプローチ」もあるかと思います。受精卵が2つ良好な状態で戻ってきた場合には、1個はすぐに移植して、もう1個は長期培養するという方法もあります。この場合、長期培養した受精卵が良好な胚盤胞に発育すれば「再凍結」という選択肢もありえます。 決して可能性が高いとはいえませんが、今周期の移植のキャンセルは防げますし、もし再凍結できれば、もう一度移植のチャンスをえることにもなります。
残りの受精卵にかける気持ち、お察しいたします。今後の治療の参考にしていただければ幸いです。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
卒業できる日がくるとは想像もできなくなっていましたが、この日を迎えることができ、先生ならびにスタッフの皆様に感謝、感謝です。京都から約2時間の通院でしたが、山下先生に会えたことを心から嬉しく思います。先の見えない暗い道ですが皆さんも先生を信じて頑張ってください。
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