山下レディースクリニック
凍結胚盤胞移植の移植数について
2011年7月20日
お世話になります。当方31才で海外に住んでおります。
先日初めての体外受精を行い、7週で初期流産に終わりました。
子宮内膜・卵巣には問題は無く、不妊は卵管因子によるものだそうです。
アメリカで治療を行っており、来月にホルモン補充で凍結胚盤胞移植を控えております。
凍結胚盤胞は3つあり、グレードは4AB、4BB、6BBです。
医師からは2個移植することを勧められております。
アメリカは医療費が高額なこともあり、
なるべく早めに成功させてあげたいことから、
医師は2個移植を勧めていると思うのですが、
多胎妊娠のリスクについても併せて説明を受けました。
私個人としては、多胎はなるべく避けたいと思っています。
そこでご意見を伺いたいのですが、
1、日本でも私のようなケースにおいて、
(31歳、1度目の体外で妊娠できたが流産した者)
2回目の移植では2個移植をすすめるのでしょうか。
2、1個移植した場合と2個移植した場合の妊娠率にはどれくらいの差があるのでしょうか。
3、新鮮胚盤胞と凍結胚盤胞では、着床率はどのように変わるのでしょうか。
医療費については幸い保険でカバーされております。
最終的には自分の意思と、担当医との相談で決断しなくてはいけないことは承知の上で、
ご参考までに、先生のご意見をお伺いできますでしょうか。
診察も受けていない中でのこのような質問で甚だ恐縮ですが、
ご教示いただけましたら、幸いに存じます。よろしくお願いいたします。
体外受精のうえでの妊娠が初期流産に終わられたとのこと、本当に残念でしたね。
順を追ってお答えしますね。
1、日本産婦人科学会では、35歳未満の方に関しては、反復不成功例すなわち2度の移植が不成功に終わった方に対してのみ、次回以降の移植で2個移植することを許可しています。
2、妊娠率は、移植個数というよりも個々の胚の生命力(便宜上は見かけのグレード)にかかっていますので、複数胚移植では妊娠率はあまり上がらず、多胎率のみ引き上げられるとされています。
3、新鮮胚盤胞移植と凍結胚盤胞移植については、凍結技術に問題がなければ凍結のほうが妊娠率が高いと思います。日本ではガラス化法の普及で凍結の方が好成績となっておりますが、米国の状況は主治医に尋ねてみてください。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
二度の流産後7年も出来ず病院通いも遠のいていましたが引越を機に山下先生に診ていただくことになり授かることが出来ました。病院内の雰囲気がよくストレスを感じず通えたこともよかったです。ありがとうございました。
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